2008年03月09日

僕にはあなたが必要です

バルク品のHDDも順調に作動してますので(がんばれ)、
ひとつ前のに戻る。


話題はアイデンティファイである。


僕らは自らの思念だけでアイデンティファイされるのではな
い、と書いた。そのためには、「他者」という存在が絶妙に
役立たなければならない。のである。

僕だけでは自己完結できない部分が僕にはあり、そんな曖
昧模糊なゆるゆるの部分が、他者との関わりという凝固剤
を得て、次第に明確な像を組成していく。


この他者に開かれたゆるゆるな部分を、
エリクソンは「希望」といい、
小池昌代は「欠いたもの」として描いた。




蜜柑一個
わたしたちはいつも
それぐらいの何かを欠いて生きている
やさしさは異物感
ごつごつとして見慣れない固まり
辺鄙な場所へ落ちた、とおくからの届け物

(小池昌代「蜜柑のように」一部抜粋 『小池昌代詩集』思潮社2003)




他者から届けられるもの。
異物。
でも、それが僕たちから欠落されている何かを埋めてくれる。


そうやって僕は終わりのみあたらない旅に一息つき、
生きるための当面の理由を見つけて、
合目的的に生きていくことができる。
それを「希望」とも、もちろん言う。



「僕には君が必要なの」



この他愛もない言葉に、「アイラブユー」では言い尽くせない
切実で誠実な思いが込められている。のよ。





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Posted by sky1973629 at 21:57│Comments(0)本を読む
 
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