2008年02月14日
ジョン、再び
僕たちの現場で、いわゆる業界用語で言えば、学級経営で
一番頭を悩ますのが、「いじめ」である。
「いじめ」についての詳細は、また改めて論じるとして、今日は
またもジョンの話。
もちろん、ご多分に漏れず、僕の学級でも「いじめ」のような
ものは起こる。必ず起きる。経験的に言えば、「いい学級だ
な」と思い始めた5月~6月頃には、必ずと言って良いほど
集団的な嫌がらせが露見する。
落胆する。
天真爛漫と思っていた子どもたちに。
そして何よりも非力な自分に。
まあ、そういうセンチメンタリズムはおいておいて、
ある特定の子に対して、比較的広範囲のいやがらせが生
起したとき、必ずするお話がある。
それは厳しい事情聴取と、無慈悲な個別指導の後、次の
質問から始めるようにしている。
「人間が社会の中で生きていく上で一番大事なものは何だろう」
賢い子どもらの目がキラリと光る。
即座に「思いやり」との返答。
鋭いぜ!利口だぜ!媚びてるぜ!と思うが、
あえて「違う!」と一蹴。彼らはしょんぼりする。
もちろん、それは一般正論なのだが、その答えはあまりにも
道徳臭い。響きは良いが、実務を果たさない。そう思ってる。
非常に手前勝手だけど、「思いやり」をも包摂する、もっと平凡
で、日常的で、具体的で、自分本位で、生なものがある。
なんてことはない。
「想像力」。
それである。
人間が自分とは異質な奴とともに生きていく上で、何よりも欠
いてはいけないもの。それは「想像力」であると、僕は思う。
今、自分に起こっていないことを、起こったらどうかな?と「想像」してみる。
今、実感していないことを、もし実際に感じたら?と「想像」してみる。
今、まったく痛くないことを、痛かったらどうかな?と「想像」してみる。
んー、羅列すると何だかバカげているけども、
自分とは違うすべてのものと生を共にするためになすべきすべては
「想像」によって始めるしかないと思っている。不可避なものだから
こそ、一番大事なこと。あの高尚な「思いやり」も「協力」も「慈悲」も、
すべてはここから。そうじゃないかな?
また何よりも、子どもたちにとっては、「想像」という抽象語は、比較
的身近でもある。よく使われる言葉の一つ。
おそらく、というよりも確信犯的に、
ここにはジョンがいる。
でも、そういう話を口角泡を飛ばしながらしゃべってると、
再びジョンに出逢う。いじめた子、いじめられた子の双方を
交互に見ている内に、ぐっと胸に込み上げてくる。
イマジン。
おとなにとっても、子どもにとっても生きづらいこの世に
彼が撃ちはなった言葉は、一筋の優しい光を射し込む。
イマジン。
凡庸。
高尚でも賢明でもなさ気な言葉。なさ気な概念。
でも、だからこそ、すべての人の心に通うものだ。
そいつを思いっきり存分に働かせ。
「想像力」と黒板に大きく書いたところで、1時間目の
チャイムがなる。
2時間目に続く
一番頭を悩ますのが、「いじめ」である。
「いじめ」についての詳細は、また改めて論じるとして、今日は
またもジョンの話。
もちろん、ご多分に漏れず、僕の学級でも「いじめ」のような
ものは起こる。必ず起きる。経験的に言えば、「いい学級だ
な」と思い始めた5月~6月頃には、必ずと言って良いほど
集団的な嫌がらせが露見する。
落胆する。
天真爛漫と思っていた子どもたちに。
そして何よりも非力な自分に。
まあ、そういうセンチメンタリズムはおいておいて、
ある特定の子に対して、比較的広範囲のいやがらせが生
起したとき、必ずするお話がある。
それは厳しい事情聴取と、無慈悲な個別指導の後、次の
質問から始めるようにしている。
「人間が社会の中で生きていく上で一番大事なものは何だろう」
賢い子どもらの目がキラリと光る。
即座に「思いやり」との返答。
鋭いぜ!利口だぜ!媚びてるぜ!と思うが、
あえて「違う!」と一蹴。彼らはしょんぼりする。
もちろん、それは一般正論なのだが、その答えはあまりにも
道徳臭い。響きは良いが、実務を果たさない。そう思ってる。
非常に手前勝手だけど、「思いやり」をも包摂する、もっと平凡
で、日常的で、具体的で、自分本位で、生なものがある。
なんてことはない。
「想像力」。
それである。
人間が自分とは異質な奴とともに生きていく上で、何よりも欠
いてはいけないもの。それは「想像力」であると、僕は思う。
今、自分に起こっていないことを、起こったらどうかな?と「想像」してみる。
今、実感していないことを、もし実際に感じたら?と「想像」してみる。
今、まったく痛くないことを、痛かったらどうかな?と「想像」してみる。
んー、羅列すると何だかバカげているけども、
自分とは違うすべてのものと生を共にするためになすべきすべては
「想像」によって始めるしかないと思っている。不可避なものだから
こそ、一番大事なこと。あの高尚な「思いやり」も「協力」も「慈悲」も、
すべてはここから。そうじゃないかな?
また何よりも、子どもたちにとっては、「想像」という抽象語は、比較
的身近でもある。よく使われる言葉の一つ。
おそらく、というよりも確信犯的に、
ここにはジョンがいる。
でも、そういう話を口角泡を飛ばしながらしゃべってると、
再びジョンに出逢う。いじめた子、いじめられた子の双方を
交互に見ている内に、ぐっと胸に込み上げてくる。
イマジン。
おとなにとっても、子どもにとっても生きづらいこの世に
彼が撃ちはなった言葉は、一筋の優しい光を射し込む。
イマジン。
凡庸。
高尚でも賢明でもなさ気な言葉。なさ気な概念。
でも、だからこそ、すべての人の心に通うものだ。
そいつを思いっきり存分に働かせ。
「想像力」と黒板に大きく書いたところで、1時間目の
チャイムがなる。
2時間目に続く
Posted by sky1973629 at 22:52│Comments(0)
│教えること育てること