2008年02月13日
レイコさんからの手紙
20歳ころに、村上春樹の『ノルウェーの森』に出逢った。
いや正確に言うと「再会」。
『ノルウェー』は中学校か高校生の時に一度読んでた。
ちょうどそのあたりにベストセラーだったからだと思う(遠い昔だな)。
キャッチーなクリスマスカラーの表紙に、すこしうんざりしながら読ん
だっけ。
でも、正直に言うと、単に勃起して終わった・・・(笑)。
その頃の僕には、情けないけど、それくらいの読み方しかできなか
った(それってどんな読み方だ?)。
それから数年・・・、
20歳の頃、僕はちょうど名古屋にいて、
毎日の乗り換え通勤にうんざりし始めた頃、キオスクの本棚で
再び『ノルウェー』に出逢った。何故かすぐに手に取った。
一度読んだ本をまた読むのは、初めての経験だった。
今考えても、なぜだろうと思う。
笠寺から金山までの鈍行。
金山から新栄町までの地下鉄。
約30分の通勤の間、
通勤ラッシュのおっさんの合間で(時に良い香りのする女子高生の合間で)
寸暇を惜しみ穴が空くまで読み続けた。
眼光紙背。
2~3度反芻しながら読んだ。
初めて涙も出た(もちろん勃起もしたけど・・・)。
当時、激しく線を引っ張った箇所がいくつかある。
そのうちの一つに、レイコさんの手紙はある。
そんな風に悩むのはやめなさい。放っておいても物事は流れるべき方向に
流れるし、どれだけベストを尽くしても人は傷つくときは傷つくのです。人生
とはそういうものです。偉そうなことを言うようですが、あなたもそういう人生
のやり方をそろそろ学んでいい頃です。あなたはときどき人生を自分のやり
方にひっぱりこもうとしすぎます。精神病院に入りたくなかったらもう少し心
を開いて人生の流れに身を委ねなさい。私のような無力で不完全な女でも
ときには生きるってなんて素晴らしいんだろうと思うのよ。本当よ、これ!
だからあなただってもっともっと幸せになりなさい。幸せになる努力をしなさい。
(村上春樹著『ノルウェーの森(下)』講談社1987/p.216)
「放っておいても物事は流れるべき方向に流れる」と言いながら、
「幸せになる努力をしなさい」というところがとてもいい。
かつての僕はこの手紙に強く強く励まされ、そして今でも、
今まさにそうしているように、読み返すと、さらに強く強く励まされる。
幸せなおとなになりなさい・・・、幸せなおとなにきっとなれるよ・・・と。
ジョンとレイコに挟まれながら僕は生きる。
レイコさん、僕、まだまだです。
いや正確に言うと「再会」。
『ノルウェー』は中学校か高校生の時に一度読んでた。
ちょうどそのあたりにベストセラーだったからだと思う(遠い昔だな)。
キャッチーなクリスマスカラーの表紙に、すこしうんざりしながら読ん
だっけ。
でも、正直に言うと、単に勃起して終わった・・・(笑)。
その頃の僕には、情けないけど、それくらいの読み方しかできなか
った(それってどんな読み方だ?)。
それから数年・・・、
20歳の頃、僕はちょうど名古屋にいて、
毎日の乗り換え通勤にうんざりし始めた頃、キオスクの本棚で
再び『ノルウェー』に出逢った。何故かすぐに手に取った。
一度読んだ本をまた読むのは、初めての経験だった。
今考えても、なぜだろうと思う。
笠寺から金山までの鈍行。
金山から新栄町までの地下鉄。
約30分の通勤の間、
通勤ラッシュのおっさんの合間で(時に良い香りのする女子高生の合間で)
寸暇を惜しみ穴が空くまで読み続けた。
眼光紙背。
2~3度反芻しながら読んだ。
初めて涙も出た(もちろん勃起もしたけど・・・)。
当時、激しく線を引っ張った箇所がいくつかある。
そのうちの一つに、レイコさんの手紙はある。
そんな風に悩むのはやめなさい。放っておいても物事は流れるべき方向に
流れるし、どれだけベストを尽くしても人は傷つくときは傷つくのです。人生
とはそういうものです。偉そうなことを言うようですが、あなたもそういう人生
のやり方をそろそろ学んでいい頃です。あなたはときどき人生を自分のやり
方にひっぱりこもうとしすぎます。精神病院に入りたくなかったらもう少し心
を開いて人生の流れに身を委ねなさい。私のような無力で不完全な女でも
ときには生きるってなんて素晴らしいんだろうと思うのよ。本当よ、これ!
だからあなただってもっともっと幸せになりなさい。幸せになる努力をしなさい。
(村上春樹著『ノルウェーの森(下)』講談社1987/p.216)
「放っておいても物事は流れるべき方向に流れる」と言いながら、
「幸せになる努力をしなさい」というところがとてもいい。
かつての僕はこの手紙に強く強く励まされ、そして今でも、
今まさにそうしているように、読み返すと、さらに強く強く励まされる。
幸せなおとなになりなさい・・・、幸せなおとなにきっとなれるよ・・・と。
ジョンとレイコに挟まれながら僕は生きる。
レイコさん、僕、まだまだです。
Posted by sky1973629 at 22:24│Comments(0)
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