走り抜けたことありますか

sky1973629

2008年08月20日 00:51

気になり始めると、第六感が働き始める。空恐ろしいものだとホント思う。これはチェの仕業だな。

ミーハーな気分で、久しぶりに「文藝春秋」を買った。院の時には定期購読していたのだけれど、久しぶりに読んでみると、なんとつまらないんだろー、と正直に思ってしまったけれど。でもなぜ買ったかというと・・・もちろん触れ込みの芥川賞発表作品を読むため。



楊逸(ヤン・イー)の「時が滲む朝」。中国人が受賞したのである。凄いよ。だから読んでみたくなった。



中国の民主化運動に巻き込まれ奔走した学生・梁浩遠(りょうこうえん)君の半生を描いた作品。

芥川賞選評で選考委員にけっこうボロクソ批判された作品(んじゃあ、なぜ受賞させたんだ?)なのだけれど、僕は結構楽しく読んだ。何と言っても「疾走感」。難関を突破して大学に入った若者の溢れるばかりの意欲。苦笑いがこぼれるほどの気高い志。羨ましく思った。そして次第に学生運動に取り込まれていく必然的な場の空気。志が高ければ高いほど吸い込まれていく若者たち。そしてオーバーフロー。失意や徒労感や集団心理や何やらが引き金になって一線を越えていく人間模様。人間だもの・・・ね。一所懸命ゆえの悲劇・・・・・・・。理想は違ってたけれど、これチェと一緒じゃん。


稚拙な原理主義なのだろうと思う。机の上の理想主義。現実見てない人。バカな平和主義者(このフレーズ・・・ジョンじゃないか!)。でも、そんな彼らを、この日和に生きる僕はどうしても否定することはできない。向社会的に我が道を走り抜けた彼らに僕は心から感動する。たった一度っきりの人生じゃないか。あまりお利口さんにならずにさ、これが正しい!と思ったことを憚らず堂々とやってみたいと思う。僕は僕が信じてることを地味だろうけど、愚直に進めてみたい。大きな風呂敷を広げて。


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