ある死に対して

sky1973629

2008年06月01日 17:46

仲良しの凛MMさんが、「衝撃」と題して、川田亜子さんの自死
について書いている。

僕はそのことを新聞で知った。でも僕はその人のことを知らない。
テレビを見てないからだろうと思う。キレイな顔なのに・・・な。と
思ったのが初発の感想。羨望。

そういう羨望の眼差しが、もしかしたら彼女の不幸だったのかも
しれない。 美人でちょっと冷たそうな表情。率直にステキだな、
と思う。でも、そんな周りの悪意なき羨望が、結局は彼女の在り
方や生き方をカチカチに固めてしまったのかもしれない。彼女も
また、そういう周りのメッセージを積極的に取り込んでしまったの
かもしれない。優しい子、気遣いの子だったんだな、と思う。社会
性とは、やはりそら恐ろしいものである。

十人十色ではない。一人十色で生きたいと思う。陽気なバカだと
言われても、「わけがわからん」と言われても、「裏切り者だ!」と
言われても、変幻自在、そういうポリシーを大事に生きていきたい
と思う。もちろん、社会性はこの社会で生きていくためのツールで
ある。でも、この社会で必ず生きていかなければならない、という
ものでもない。何よりも大事なのは、親からもらったこの比類なき、
掛け替えのない命である。それを守り、かつ幸福にこの社会で生
きていくバランス感覚が、この他罰的で世知辛い世の中では不可
欠なのではないか、と思う。彼女の死を通して、強く強くそう思う。


こんどは十六かいまで かいだんをのぼり
もういちど とびおりた
十二かいで はねかえり
十かいで かぜをとらえ ともだちは
よぞらを ゆったりとせんかいした

(谷川俊太郎「ともだちの とびおり」より抜粋/『よしなしうた』所収)



彼女は誰にも邪魔されない、彼女のためだけの風をとらえ、天
高く夜空に登っていったのだろう。ご冥福をお祈りします。



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