その正体
前回の続き。。
ヒントは写真の中にすでにある。切り株に注目。
なんてことはない。最近北部の山に入った人ならすぐに分かる
こと。あのビニル袋の正体は、松くい虫にやられ立ち枯れした
松の遺骸です。消毒し、被害拡大を防ぐための処置。
ホントにすごい数でした。すごい勢い。脅威。
はい。しっかり勉強してきましたよ。えーっと、この松くい虫の
被害はマツノザイセンチュウによるもの、だそうです。マツノザ
イセンチュウはわずか1mm程度の糸くずのような虫。それが
松の中で爆発的に発生し、松の水の通り道などを塞いでしま
い、松の命を奪ってしまうということ。
なお、このセンチュウはマツノマダラカミキリが運び屋となって
いるとよく言われていますが(その程度は僕も聞いたことがあ
りました)、今回びっくりしたのは、そのカミキリとセンチュウが
共生関係にある、ということ。
枯れたり弱ったりして松ヤニを出さなくなった松でしか産卵、羽
化・脱出ができないそのカミキリにとって、松を枯らすセンチュ
ウは自ずと相棒になるわけです。
うーん。感動的な構造。自然の摂理。
彼らを果たして害虫と見なしてよいのか、否か・・・。躊躇。僕は
そう感じてしまった。視点の違いで捉え方は異なるはず。よな。
伐採された枯れ松の周りには光が差し込み、新たな生命が・・・。
一つの死は、新たな生命を呼び込む。これもまた僕を複雑な思
いにさせる。
一粒の麦もし死なずば一粒のままにてあらん。死なば多くの実を結ぶべし。
古い言葉ですが・・・考えさせられる言葉です。
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