僕にはあなたが必要です

sky1973629

2008年03月09日 21:57

バルク品のHDDも順調に作動してますので(がんばれ)、
ひとつ前のに戻る。


話題はアイデンティファイである。


僕らは自らの思念だけでアイデンティファイされるのではな
い、と書いた。そのためには、「他者」という存在が絶妙に
役立たなければならない。のである。

僕だけでは自己完結できない部分が僕にはあり、そんな曖
昧模糊なゆるゆるの部分が、他者との関わりという凝固剤
を得て、次第に明確な像を組成していく。


この他者に開かれたゆるゆるな部分を、
エリクソンは「希望」といい、
小池昌代は「欠いたもの」として描いた。




蜜柑一個
わたしたちはいつも
それぐらいの何かを欠いて生きている
やさしさは異物感
ごつごつとして見慣れない固まり
辺鄙な場所へ落ちた、とおくからの届け物

(小池昌代「蜜柑のように」一部抜粋 『小池昌代詩集』思潮社2003)




他者から届けられるもの。
異物。
でも、それが僕たちから欠落されている何かを埋めてくれる。


そうやって僕は終わりのみあたらない旅に一息つき、
生きるための当面の理由を見つけて、
合目的的に生きていくことができる。
それを「希望」とも、もちろん言う。



「僕には君が必要なの」



この他愛もない言葉に、「アイラブユー」では言い尽くせない
切実で誠実な思いが込められている。のよ。



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